暇な考古学生

愚かにも考古学界に足を踏み入れてしまった男の悲しき日常

地母神信仰の話

演習授業の発表の一環として地母神信仰について調べてたんですが、その中で物凄くくだらないことを思いついてしまいました。

 

地母神信仰ってご存知ですか?

これは大昔からある信仰で、人類に豊穣をもたらす大地を生命力の象徴たる母と捉えた上で神格化して崇めよう、というものです。

この信仰は世界中で広く見受けられ、特に農耕文明ではそのコスモロジーの根底にあるものとして重要視されてきました。

地母神の例として、ギリシアとか小アジアでいうところのガイアやキュベレーメソポタミアのイナンナやイシュタル、ケルトのメイヴなどが挙げられますね。

 

古代の農耕社会にとって安定した収穫というのは何よりも大事なことで、作物がまともに育たなかったりすると死活問題になってきます。

そんなわけで人類は母なる大地に対して色んな祭祀儀礼を執り行うことで恵みをもたらしてもらおうとしました。

かの有名な合唱曲『大地讃頌』の歌詞を思い浮かべてもらえると理解が早いと思います。

母なる大地よああああああ

讃えよ大地よ

……ああああああああああ!!

 

このような地母神信仰は、言い方を変えると

平穏な生活のために、いい歳した大人達が、大地をママに見立てて泣きつく信仰

と言えるでしょう。

めちゃくちゃなことを言ってるようですが、まあ何となく合ってる気がします。

 

ここまで考えた私はあることに気がつきました。

これって現代日本のとある文化に似てないか……?

 

 

そう、バブみ です。

バブみとは、架空・実在を問わず様々な対象に抱く、「母性を感じる」「甘えたい」などの感情を表現するTwitter用語の一つである。

バブみとは (バブミとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

元々はTwitter用語だったようですが、現在ではネット・現実世界問わず様々な所で広く受け入れられている文化です。

受け入れられてないですか?おかしいな

 

要は、母性溢れるヒト・モノをママに見立て「バブみを感じる」などと表現する文化です。

こういった言葉を使う人は人生に疲れていたり、何かしら心の平穏を求めていたりすることが多い気がします。

物凄く気持ち悪いですが、それだけ現代人が母性を求めているということなんでしょう。

人外に対してママとか言い始めたらいよいよ世も末だと思っていました。

 

 

……それって地母神信仰も同じなのでは?

 

 

気がついてしまいましたね。

平穏な生活のために、いい歳した大人達が、大地をママに見立てて泣きつく信仰––––

明らかにバブみの概念と一致しています。

 

つまり、

古代の人々は大地にバブみを感じていた

と言うことができますし、そこから転じて

バブみ文化のルーツは古代にまで遡る

と言えるでしょう!

この気持ち悪い文化は決して現代日本人特有のものではなかったのです!

古代から世界中の人々がバブバブ言ってたのです!!

ママァ!!!!

 

 

ここまで書いて冷静になりました。

実を言うとニコニコ大百科を引用してるくらいで冷静になってました。

今日はこれくらいにします。

 

 

 

 

考古学って何?という話

皆さんは考古学という学問についてどれだけご存知でしょうか?

具体的に何をする学問なのか、きちんと理解している人は少ないように感じます。

今回は、そもそもの考古学の定義についてざっくりと書いていきたいと思います!

 

 

ズバリ!

考古学とは「古いことを考える学問」です!そのまんま!

小学生でもわかりそうですが、ここで問題になってくるのは

「古いこと」の範疇に何が含まれるか

ということです。

 

考古学における「古いこと」とは、「人類の活動の痕跡」を意味します。

文字が使用されるようになる時代(有史時代)より前の時代を研究する上で役立つ場合が多いため、何千年・何万年前といった本当に古い時代を研究対象としていると思われがちです。

しかし、実際は人類が過去に関与した遺物・遺構であればどの時代でも研究対象となります!

ですので、戦時中に沈んだ軍艦や経済発展の中で造られた製鉄所など、たかだか数十年前の物も研究対象になるのです。

極端な話ですが、昨日何者かによって食べられたプリンの空き容器、といった直近の物でも定義上は考古学の研究対象と言えますね。

 

この定義において重要なのは「人類が関与している」という点です。

これを知らない人が非常に多く、「考古学って恐竜の化石とか掘ってるんでしょ?」などと言われることが本当に本当に多いのです!!

恐竜の時代に人類はいないので、こういった認識が誤りであることは明白ですね。

恐らく多くの人達が思い浮かべているのは古生物学です。

 

しかし、恐竜の化石が考古学の研究対象となることも無いわけではありません。

例えば、「ある神殿で御神体として恐竜の化石が祀られていた」という場合は、「神殿」や「祭祀」といった人類の活動と密接に関わっているため、この恐竜の化石も考古学の研究対象となります。

まあ私は無学なのでそのような例が実際にあるのか存じませんが……

 

考古学の特徴の一つとして、「実体のある物質を研究対象とする」ということが挙げられます。

縄文時代であれば、土器や石器、住居跡などがわかりやすいですね。

植物の花粉や動物の遺体から人類活動を調べる分野もあり、それぞれ植物考古学や動物考古学などと呼ばれていたりします。

とにかく研究対象はとても多いのです!

また、文字資料や民間伝承などは考古学の研究対象とはされにくく、文献史学や民俗学にカテゴライズされるのが一般的です。

このへんの学問分野の定義は研究者や国によって異なるので、今回はあまり突っ込まないでおこうと思います。私もよくわからん。

 

このように多様な研究対象から何を考えるのか、という話をしていませんでした。

考古資料からわかることはとても多く、当時の文化、社会、生業、建築、芸術、宗教、宇宙観、学問、歴史などなど、本当に様々なことを知ることができます。

すぎょい!!欲張り!!

 

 

長々と色んなことを書いてきましたが、以上をまとめると以下のようになります。

 

  • 考古学とは「過去の人類の活動の物質的痕跡から、当時の文化・社会などあらゆることを解き明かす学問」である。
  • 研究対象がめちゃ多くて、わかることもめちゃ多い。
  • 恐竜は古生物学

 

この3点を理解することが考古学を知る第一歩になるでしょう!

特に3つ目は物凄く重要なポイントです!!

私はカセキホリダーじゃねえ!!!!

 

※ここで述べられていることは基本的に素人の理解に基づいているため、内容に誤りがある可能性が十分に考えられます。

「この話マジか?」と思ったら自分で調べましょう。

センキュー情報社会。

ブログ始めてみた話

はじめまして!

 

暇な考古学生しげると申します。

普段は大学で考古学を専攻している一介の学生です。

暇なのでブログを始めてみました。

このブログは日記兼備忘録のようなもので、その都度考えてることを書き殴りたいと思っています。

ネタに困ったら考古学の話もするかも。

内容は有って無いようなものなので、あまり真剣に捉えないでいただけると幸いです。

 

どうぞ宜しくお願いします。